SpaceX Super Intelligence(SpaceXSI)が米国時間10月12日、Grok・Cursor・X Premiumの契約プランを1本にまとめた「The X Subscription」を始めた。無料から月200ドルまでの5段で、これまで別々に払っていた3つのサービスが、1つの値札の中に収まった。

目を引くのは下げ幅だ。中位のPremium(月30ドル)で、以前はSuperGrok・Cursor Pro・X Premium+を合わせて月90ドル払って得ていた内容が揃う、と提供元は説明している。

ただし、同じ発表の中にもう1つの変更が入っている。Cursorの中で Claude ・GPT・Geminiといった他社のモデルを使うぶんが、新しいプランでは含まれる利用量の外に出た。最初の1回から別料金になる。安くなった人と、請求が増える人が同時に生まれる改定である。

⚠ 情報の鮮度について
一次情報はx.aiの告知「Introducing The X Subscription」(米国時間2026年10月12日)、同社ドキュメントの料金ページ、そしてCursorの料金ページです。いずれも編集部で原文を確認しています。日本時間では10月13日の朝にあたり、約28時間が経過しています。金額はすべて米国の公表価格で、税は含みません。地域や決済手段によって表示額は変わります。

The X Subscriptionとは──3つの値札が1つになった

The X Subscriptionは、これまで別々に売られていた3つの契約を1つの階段に置き換えたものだ。段はFree・Plus・Premium・Super・Ultraの5つで、どの段を選んでも、GrokのアプリとXの中のGrok、そしてCursorの3か所で同じ利用量の枠を分け合う形になる。枠を別々に数えず、ひとつの池から汲む設計である。

以前の並びを思い出しておきたい。Cursorの側は個人向けのPro(月20ドル)・Pro Plus(月60ドル)・Ultra(月200ドル)で、法人向けはTeams Standard席が1席あたり月40ドル、Premium席が月120ドルだった。Grokの側はSuperGrokとその上位プラン、Xの側はX PremiumとX Premium+が、それぞれ別の契約として売られていた。三者を全部使う人は、三者の窓口に別々に払っていた。告知が「以前は合計で月90ドル」と書いているのは、SuperGrok・Cursor Pro・X Premium+の3つを並べた場合の額で、1つずつの内訳は示されていない。

5段 統合後のプラン数(Free〜Ultra)
90→30 同等内容の月額ドル(提供元の説明)
3か所 同じ枠を使える場所(Grok/X/Cursor)
一言でまとめると──「払う窓口が3つから1つになり、同じ構成なら安くなりました。ただしCursorで他社のモデルを呼ぶぶんは、その1つの窓口の外に出されました」。あなたがどちら側に転ぶかは、Cursorで誰のモデルを使っているかで決まります。

段ごとの中身にも線が引かれている。Grok Botが付くのはPremium以上で、Plusには付かない。Cursorで他社のモデルを選べるのもPremium以上である。つまりPlus(月8ドル)はGrokのモデルだけを使う段で、月8ドルという数字は「Xの有料機能つきでGrokを使う」値段として読むのが近い。

The X Subscriptionの料金──月額・年額と、1単位あたりの値段

公表されている料金は次のとおりだ。年額は月額12か月分より1段安く設定されている。

段 月払い 年払い 含まれる利用量 Grok Bot/他社モデル
Free 0ドル 0ドル 限定 ×
Plus 8ドル 80ドル 基準 ×
Premium 30ドル 300ドル 基準の4倍 ○
Super 100ドル 1,000ドル 基準の15倍 ○
Ultra 200ドル 2,000ドル 基準の50倍 ○

年払いは4段すべてで月払い12か月分の6分の5になる。Plusは96ドルのところ80ドル、Premiumは360ドルのところ300ドル、Superは1,200ドルのところ1,000ドル、Ultraは2,400ドルのところ2,000ドルだ。どの段でも2か月分が引かれる勘定で、割引率は段によって変わらない。法人の席も個人と同額で、Premium席が月30ドル、Super席が月100ドル、Ultra席が月200ドル。Plusは席としては選べない。旧Teams Standard席の月40ドルと比べると、Premium席のほうが席単価は下がっている。

ここで、段を上げると何が起きるのかを数字で見ておきたい。月額と含まれる利用量の倍率を割り合わせると、1単位あたりの値段が出る。

The X Subscriptionの有料4段について、月額を含まれる利用量の倍率で割った「利用量1単位あたりの月額」を横棒グラフで比べた図。Plus(月8ドル・倍率1)は8.00ドル、Premium(月30ドル・4倍)は7.50ドル、Super(月100ドル・15倍)は6.67ドル、Ultra(月200ドル・50倍)は4.00ドル。棒の長さは1単位あたりの金額に比例し、上の段へ行くほど短くなる。

Plusの8.00ドルに対し、Ultraは4.00ドルで半分になる。つまり上の段は「たくさん使える」だけでなく「同じ量を安く使える」ように値付けされている。提供元も、同等の段どうしを比べれば置き換え前のプランより1ドルあたりの利用量が増えると説明しており、計算は言っていることと合う。たくさん使う人を上へ誘導する形の階段である。

ⓘ 「基準の4倍」は何の4倍か
この倍率は、Plusに含まれる利用量を1としたときの相対値です。絶対量(何トークン、何リクエスト)は公表されていないので、月に何回使えるかを段から逆算することはできません。読み取れるのは段と段の比だけです。上の図も、絶対量ではなく比を金額に当てた値を並べています。

変わったのは総額ではなく、他社モデルの扱いだった

ここが改定の芯である。Cursorにはもともと2つの利用量の池があった。1つはGrokやComposerといった自社系モデルの池、もう1つは他社モデル用の池で、こちらは各モデルのAPI価格で課金される。旧プランのPro・Pro Plus・Ultraは、どちらの池も契約に含んでいた。

新しいプランでは、後者が含まれない。提供元のドキュメントは、Cursorの他社モデルは含まれる利用量の一部ではないので、最初の使用から追加利用分のクレジットを消費すると書いている。Cursorの料金ページ側も、他社モデルの利用は表示されている月額には含まれず別に購入する必要があると明記している。選べなくなったわけではない。Premium以上なら今までどおり選べるが、1回目のリクエストから従量課金になる。

これまで

Cursor Pro(月20ドル)などは、自社系モデルの枠と他社モデルの枠を両方含んでいた

2026年10月12日

The X Subscriptionが開始。5段に統合され、他社モデルは含まれる利用量の外へ

これから

既存のCursor・SuperGrok・X Premiumの契約は、変更または解約するまで続く(提供元ドキュメントの明記)

旧プランが即日なくなるわけではない点は押さえておきたい。ドキュメントには、既存のCursor・SuperGrok・X Premiumのプランは、変更するか解約するまで継続すると書かれている。実際、Cursorの料金ページの一覧からはPro(月20ドル)やPro Plus(月60ドル)が消えているのに、モデル別の料金を説明するドキュメントには旧プランの記述が残っている。新規の入口は新しい5段に切り替わり、既存の契約は当面そのまま、という移行の途中にある。乗り換えると旧プランの残り期間は日割りで返金されるとも書かれているが、乗り換えの操作そのものは順次開放される扱いで、請求設定に出てくるまで待つ必要がある。

⚠ 「安くなった」を自分の請求に当てはめる前に
月90ドル相当が月30ドルになるという説明は、SuperGrok・Cursor Pro・X Premium+の3つを実際に契約していた人の話です。Cursorだけを月20ドルで使い、その中でClaudeやGPTを呼んでいた人の場合、新しいPremiumは月30ドルに上がったうえ、他社モデルのぶんが別請求になります。切り替える前に、直近1か月のCursorの明細で他社モデルの消費額を見てください。そこが小さい人ほど今回の改定で得をし、大きい人ほど総額が増えます。

使い方別に、あなたの請求はどこが動くか

同じ改定が、使い方によって逆の方向に出る。4つに分けて整理する。

A
3つとも契約していた人:下がる

SuperGrok・Cursor Pro・X Premium+を並べて払っていたなら、Premiumの月30ドルに寄せられる。窓口が1つになり、利用量も3か所で共通になる。年払いなら月25ドル相当だ。

B
Cursorで他社モデルを多用する人:上がりうる

Claude・GPT・GeminiをCursorの主力にしている場合、その利用はPremium以上でも含まれない。座席代が月30ドルになったうえに、モデル代が別に乗る形になる。

C
Grokだけで足りる人:いちばん下がる

コード生成もGrokで通すなら、Plusの月8ドルから入れる。ただしPlusにGrok Botは付かず、Cursorで他社モデルも選べない。この2つが要るならPremiumから上になる。

D
チームで使っている人:席単価は下がる

旧Teams Standard席の月40ドルに対し、新しいPremium席は月30ドル。管理機能や共同請求はそのまま付く。ただし他社モデルの扱いは個人と同じで、席代の外になる。

Bに当たる人が、今回もっとも計算をやり直す必要がある。Cursorは9月にも、法人向けの定額課金をやめて振り分け先しだいの従量課金へ切り替えている(Cursor Enterpriseの「Auto定額」が9月7日で終わった件)。今回の変更は、同じ方向への2歩目に見える。自社のモデルは定額の中に、他社のモデルは実費で。この線引きが、個人のプランまで下りてきた。

💡 乗り換え判断を1つの式にする
いま払っている合計額と、新しい段の月額に「他社モデルの月間消費額」を足した額を比べてください。前者が大きければ乗り換えで下がり、後者が大きければ据え置きのほうが安いままです。既存プランは変更するまで続くので、1か月の明細を取ってから決めても遅くはありません。

編集部の見立て

Editor's Opinion

今回の改定で注目したいのは、月90ドルが月30ドルになったという下げ幅よりも、値下げと値上げが1つの発表に同居している形のほうだと考えます。自社のモデルを使う人には安く、他社のモデルを使う人には実費で。同じプラン表の中で、使うモデルによって扱いが分かれました。

これは読者にとって、コーディング支援ツールの選び方が一段ややこしくなったことを意味します。これまでは「どのツールの月額が安いか」で比べられました。これからは、そのツールが自社でモデルを持っているかどうかを見る必要があります。自社モデルを持つ側は、その利用を定額に入れて安く見せられます。持たない側は仕入れ値をそのまま乗せるしかありません。同じ月30ドルの中身が、ツールによって別物になっていきます。

もう一点、既存のプランを即座に打ち切っていないところは実務的だと感じました。他社モデルの枠つきで契約した人を、その枠が無い新プランへ自動で移すと、請求額が黙って増えます。変更するまで続くという書き方は、その摩擦を避けています。ただし旧プランがいつまで残るのかは公表されていないので、ここは※観測として置いておきます。

そのうえで、Premium以上でないと他社モデルを選べないという線引きは、月8ドルという入口の安さと引き換えになっています。安い段から入って、必要になったら上げればよい──そう読める設計ですが、上げる理由が「他社のモデルを使いたいから」である人にとっては、月8ドルは最初から選択肢に入っていません。

まとめ

SpaceX Super Intelligenceが2026年10月12日(米国時間)、Grok・Cursor・X Premiumのプランを「The X Subscription」として統合しました。段はFree・Plus(月8ドル)・Premium(月30ドル)・Super(月100ドル)・Ultra(月200ドル)の5つで、年払いはそれぞれ80ドル・300ドル・1,000ドル・2,000ドルです。

含まれる利用量はPlusを基準に、Premiumが4倍、Superが15倍、Ultraが50倍。月額を倍率で割ると1単位あたり8.00ドル・7.50ドル・6.67ドル・4.00ドルとなり、上の段ほど同じ量が安くなります。法人の席も同額で、旧Teams Standard席の月40ドルより下がりました。

いちばん大きな変更は、Cursorの中で使う他社モデル(Claude・GPT・Geminiなど)が、含まれる利用量の外に出たことです。Premium以上なら選べますが、最初の1回から追加利用分のクレジットを消費します。Grok Botが付くのもPremium以上で、Plusには付きません。

既存のCursor・SuperGrok・X Premiumの契約は、変更または解約するまで続きます。乗り換えた場合は旧プランの残り期間が日割りで返金されますが、乗り換えの操作は順次開放されます。

切り替える前に見る数字は1つだけだ。直近1か月の明細に載っている、Cursorでの他社モデルの消費額である。