OpenAI が9月8日、ChatGPTの画像生成モデルを刷新した「ChatGPT Images 2.5」を公開した。目立つのは、画像の一部にコメントを書き込むだけで狙った箇所だけを直せる新しい編集方法だ。
同時にAPI向けの新モデル「GPT-Image-2.5」も2種類公開されたが、こちらの値札には動きがない。性能を上げながら価格は先代のまま据え置くという、値上げのニュースが続いた8月とは逆方向の発表になった。
ChatGPT Images 2.5とは──何が変わったのか
ChatGPT Images は、ChatGPT内で画像を作ったり直したりする機能の名称だ。8月30日に旧ブランドの「DALL-E」がこの名称へ一本化されたばかりで、2.5はその一本化後はじめての大型更新にあたる。
ChatGPT、法人向けのChatGPT Work、コーディング支援のCodexのすべてで、デスクトップ・モバイル・Web版に順次配信されている。OpenAIの説明によれば、光の当たり方や質感の再現がより自然になり、参照した写真の被写体を保ったまま編集を重ねやすくなったという。生成にかかる待ち時間は、旧モデル「Images 2.0」と比べて最大50%短縮された。
コメントで直す編集と「@Sketch」の具体像
これまでの画像編集AIは、直したい内容を毎回プロンプトとして書き直す必要があった。ChatGPT Images 2.5が変えたのは、この手順そのものだ。
画像の中で直したい要素をクリックし、「ここを青くして」のように一言書き込んで送ると、その指示だけが反映される。プロンプト全体を書き直す手間がない。
チャット欄に手描きのラフをそのまま置くと、レイアウトや構図の土台として扱われる。部屋の配置や服のシルエットなど、言葉より線で伝えたい構図に向く。
ポスターやグッズなど、よく使う画像サイズの型が選べるようになった。生成に使ったプロンプトをそのまま公開し、他人が同じ土台から作り直せる機能も加わっている。
複数回にわたって編集を重ねても、それ以前の指示で保った特徴が崩れにくくなった点も変更点のひとつだ。1回の指示で終わらせず、少しずつ直していく使い方を前提にした設計だといえる。
GPT-Image-2.5の料金は上がったのか
API向けに公開された2つの新モデル「GPT-Image-2.5 Flare」と「GPT-Image-2.5 Sunburst」は、性能の方向性が異なる。Flareは大量生成や日常的な用途向けに低遅延を優先し、Sunburstは仕上がりの精度を優先する分、生成に時間がかかる。
気になるのは価格だ。海外の一部メディアは「価格が2倍になった」と報じたが、OpenAIの公式ドキュメントを確認すると、これは誤りだとわかる。FlareとSunburstの料金は2つとも同じで、しかも先代のGPT-Image-2からまったく変わっていない。
| 項目(100万トークンあたり) | GPT-Image-2 | GPT-Image-2.5 (Flare / Sunburst共通) |
|---|---|---|
| テキスト入力 | 5.00ドル | 5.00ドル |
| キャッシュ済みテキスト入力 | 1.25ドル | 1.25ドル |
| 画像入力 | 8.00ドル | 8.00ドル |
| キャッシュ済み画像入力 | 2.00ドル | 2.00ドル |
| 画像出力 | 30.00ドル | 30.00ドル |
無料でも使えるのか──プランごとの違い
OpenAIの告知は「ChatGPT・ChatGPT Work・Codexのすべてのユーザーに展開する」としており、有料プラン限定という書き方にはなっていない。無料アカウントでも、モデル自体は有料プランと同じ新しいものに置き換わる形だ。
差が出るのは、モデルの中身ではなく1日に生成できる枚数のほうである。OpenAIは無料プランの上限を具体的な数字では公表しておらず、利用状況に応じて変わる仕組みだとしか説明していない。日常的にたまに使う程度なら無料のままで新機能を試せるが、仕事で毎日大量に生成するなら、上限に当たる頻度は有料プランのほうが低くなる。
無料のままで新しいモデルに切り替わっている。まずは今の使い方を変えずに試せばよい。
請求単価は変わらないので、既存の見積もりをそのまま使える。乗り換えの障害になるのは価格ではなく、出力トークン数の変化を実測できているかどうかだ。
コード生成の作業と同じ画面の中で、モックアップやアイコンの生成にも同じ改善が及んでいる。
Midjourneyとどちらを使うべきか
ここ数週間、大手の画像生成モデルは相次いで世代交代した。OpenAIは8月30日に「DALL-E」ブランドを終了しChatGPT Imagesへ一本化したばかりで、Googleも8月17日にImagen 4を止めてNano Banana 2ことGemini 3.1 Flash Imageへ移行させている。ChatGPT Images 2.5は、その一本化された窓口の中身を早くも更新した形になる。
Midjourneyは7月24日公開のV8.2以降、写真的な正確さよりも質感と芸術性を磨く方向に振り切っており、専用の編集機能「Edit Model」も備える。文章と画像を行き来しながら、写真の一部を狙って直したいという用途にはChatGPT Images 2.5が向く。一方、実在感より絵としての説得力や独自の画風がほしい場面では、Midjourneyを選ぶ理由は今回の更新でも変わっていない。
編集部の見立て
今回の発表でいちばん注目したいのは、性能の中身よりも「価格を動かさなかった」という判断のほうです。8月は値上げや期間限定価格の終了が続いていたので、値段が据え置かれるだけでニュースになる状況が生まれています。
編集という工程を、プロンプトの書き直しからコメントでの指差しに変えた設計にも意味があると考えます。うまくいかない編集の多くは、直したい範囲を言葉で正確に伝えきれないところで起きていました。範囲をクリックで指定できれば、伝え漏れによる失敗はかなり減らせるはずです。
一方で、無料プランの生成上限が数字で公表されていない点は、読者にとって不便なままです。毎日どれだけ使えるのかが試してみるまでわからない状態は、プランを選ぶ側からすると判断材料が足りません。ここは今後の開示を待ちたいところです。
まとめ
OpenAIは2026年9月8日、ChatGPTの画像生成モデル「ChatGPT Images 2.5」を公開しました。画像に直接コメントを書き込んで狙った箇所だけを直せる編集機能と、手描きのラフを土台にできる「@Sketch」が新しく加わっています。生成の待ち時間はImages 2.0比で最大50%短縮されました。
API向けの新モデル「GPT-Image-2.5 Flare」「GPT-Image-2.5 Sunburst」は、100万トークンあたりテキスト入力5.00ドル・画像入力8.00ドル・画像出力30.00ドルで、いずれも先代のGPT-Image-2から変わっていません。「価格が2倍になった」という一部報道は、OpenAIの公式ドキュメントの単価と一致せず、本記事では採用していません。
ChatGPT・ChatGPT Work・Codexの全ユーザーへ展開されており、無料プランでもモデル自体は同じものに切り替わります。生成できる枚数の上限だけが、プランによって変わる部分です。
Midjourneyと使い分けている読者は、7月24日公開のV8.2と今回のChatGPT Images 2.5を、写真的な精度を取りたい作業と画風を優先したい作業とで振り分ける形になります。