OpenAIが、ChatGPTの「GPTストア」に並ぶ公式GPTのひとつ「DALL-E」を、2026年8月30日付けで退場させる。ChatGPTから画像を作る手段そのものがなくなるわけではない。消えるのは、わざわざ専用のGPTを開いて話しかけるという、2024年1月のGPTストア開設時から続いてきたやり方のほうだ。
これから作る画像は、チャット画面に直接組み込まれた「ChatGPT Images」に一本化される。背後で動くモデルも、公開当初のDALL-Eの系譜から、今年4月に登場した「GPT Image 2」へすでに置き換わっている。名前が消える日に何が変わり、何が変わらないのかを整理する。
何が終わるのか──「DALL-E」という名前のGPT
ここで退場するのは、画像生成の機能そのものではない。ChatGPTの「GPTを探す」から開ける公式GPTの一覧に、2024年1月のGPTストア開設当初から並んでいた「DALL-E」という名前のGPTだ。ユーザーはこのGPTを開き、チャットで頼みごとを書いて画像を作ってもらう、という一手間を踏んできた。
OpenAIはヘルプセンターとリリースノートで、この専用GPTを2026年8月30日に退場させると案内している。過去に「DALL-E」GPTとの会話で作った画像を残しておきたい場合は、退場前に手元へ保存しておく必要がある。ChatGPTでは生成した画像がアプリ・Web版とも「Images」の一覧にまとまっており、そこから個別に開いて保存する形になる。
「ChatGPT Images」とは何か──DALL-E GPTとの違い
「DALL-E」GPTを開かなくても、ChatGPTはすでにチャット画面へ直接「画像を作って」と打ち込むだけで生成できるようになっている。この内蔵機能が「ChatGPT Images」だ。使い勝手の違いはひとつしかない。専用GPTを探して開く一手間があるかないか、それだけである。
背後で動くモデルも更新済みだ。OpenAIは2026年4月21日、新しい画像モデル「GPT Image 2」を投入した。OpenAI公式のモデル文書は、これを「高速・高品質な画像生成と編集のための最新モデル」と説明している。2026年8月には、この新モデルを使う「ChatGPT Images 2.0」が無料プランを含む全プランへの展開も終えている。
つまり「DALL-E」という名前が消える8月30日の時点で、実際の画像生成の中身はすでに何段階か先に進んでいる。退場するのは名前と、それを呼び出すための専用の入り口のほうだ。
過去の画像は消えるのか──今日やるべきこと
OpenAIの案内は、退場前に「残したい画像はダウンロードしておくように」というものだ。生成した画像はChatGPTアプリ・Web版どちらでも「Images」の一覧に集まっているので、残したいものを個別に開いて保存する。「DALL-E」GPTとの会話を通じて作った画像も、この一覧の対象に含まれる。
なぜ今このタイミングなのか
今回の「DALL-E」GPT退場は、OpenAIが今年進めてきた画像生成まわりの整理の、最後の一手にあたる。同じ「DALL-E」の名を冠していても、対象も時期もまったく別の廃止がすでに一度あった。2026年5月12日には、API向けの旧モデル「dall-e-2」「dall-e-3」の提供が終了している。こちらは開発者がプログラムから直接呼び出す側の話で、ChatGPTの画面上でGPTを開いて使う今回の「DALL-E」GPTとは対象が異なる。
API側とチャット側、2つの入り口をそれぞれ順番に閉じてきた形になる。共通しているのは、古い呼び出し方を残したまま新しいモデルだけを積み増すのではなく、行き先を1つに絞り込む方向だという点だ。
Gemini・Midjourneyの画像生成はどうなっているか
画像生成モデルの世代交代は、ChatGPTだけの動きではない。GoogleはGemini側の旧モデル「Imagen 4」を2026年8月17日付けで停止し、新しい「Nano Banana 2」こと「Gemini 3.1 Flash Image」へ切り替えている。時期はわずか2週間しか離れておらず、大手2社が同じ夏に旧世代の画像モデルを片づけたことになる。
一方、画像生成を主戦場とするMidjourneyや、Grokの画像生成機能「Grok Imagine」は、汎用チャットに間借りする一機能ではなく単独のツールとして運営されており、今回のような「GPTをチャットに統合する」形の整理とは事情が違う。入り口が1本化されつつあるのは、あくまで汎用チャット型AIに機能として組み込まれている側の話だ。
編集部の見立て
今回の件で注目したいのは、退場する「DALL-E」という名前の重みです。画像生成AIという言葉を知らない人でも、この名前だけは聞いたことがある、という時期が確かにありました。その名前が、性能で劣っているからではなく、単に「専用の入り口を開く」という手順そのものが不要になったために消える。これは技術の敗北というより、機能が使い勝手の中に溶けて見えなくなっていく過程だと考えます。
読者にとって覚えておく価値があるのは、窓口の名前とモデルの名前がずれていく、という点です。「ChatGPT Images」という呼び方は変わらなくても、その裏で動くモデルはすでに世代を重ねています。窓口の名前だけで判断するのではなく、今どのモデルが動いているかを都度確かめる習慣のほうが、長い目で見て頼りになるはずです。
もう一点、GoogleがImagen 4を閉じたのとほぼ同じ時期にOpenAIも同じ判断をした事実は、偶然というより業界の足並みと見るのが自然でしょう。画像生成AIは、専用アプリを立ち上げて使うものから、普段使いのチャットに溶け込んだ一機能へと役割を変えつつあります。
まとめ
OpenAIは2026年8月30日、ChatGPTの公式GPT「DALL-E」を退場させます。GPTストア開設時の2024年1月から使われてきた、専用GPTを開いて画像を頼む形の入り口が閉じることになります。
画像生成の機能そのものは終わりません。今後はチャット画面に直接指示する内蔵機能「ChatGPT Images」に一本化されており、背後のモデルは2026年4月21日登場の「GPT Image 2」にすでに切り替わっています。ユーザー自作のGPTに組み込まれた画像生成機能は対象外です。
「DALL-E」GPTとの会話で作った過去の画像を残したい場合は、退場前に「Images」の一覧から個別に保存しておく必要があります。2026年5月のAPI向けdall-e-2/3終了とは別の廃止であることも、あわせて押さえておきたいところです。
DALL-Eという名前が消えても、画像を作る手段そのものがなくなるわけではない。消えるのは「わざわざ別のGPTを開く」という一手間のほうだと考えると、今日という日の意味がはっきりする。