2026年8月17日、Google の画像生成AI「Imagen 4」が、開発者向けAPIから消えた。標準・高速・最高品質の3モデルが同時に提供終了となり、後継には通称「Nano Banana 2」ことGemini 3.1 Flash Imageが一本化される形で残った。
料金体系も静かに変わっている。同じ1024ピクセル相当の画像で比べると、1枚あたりの価格は最大で約3.4倍に上がった。かわりに使える解像度は4Kまで広がり、会話の流れの中で画像を直しながら作る使い方ができるようになっている。
そして同じ8月、OpenAI も動いた。ChatGPT内の「DALL-E」専用GPTを8月30日に終了させると7月末に告知済みだ。画像生成AIの世代交代が、2つの陣営でほぼ同時に進んでいる。
Imagen 4が消え、Nano Banana 2に一本化された
停止したのは、開発者向けAPIに存在した3つのモデルIDである。速度優先の「Imagen 4 Fast」、標準の「Imagen 4 Standard」、最高品質の「Imagen 4 Ultra」がすべて2026年8月17日付で提供終了となり、この日以降は呼び出しても動かない。Googleが後継として案内しているのは、2026年2月26日に公開されたGemini 3.1 Flash Image、通称「Nano Banana 2」だ。
| 比較項目 | Imagen 4(停止済み) | Gemini 3.1 Flash Image(後継) |
|---|---|---|
| 提供状況 | 2026年8月17日で終了 | 現行の標準モデル |
| 最大解像度 | 2048×2048(2K相当) | 4K(16メガピクセル相当) |
| 呼び出し方式 | 画像生成専用のメソッド | 対話用メソッドに統合(互換なし) |
| キャラクター一貫性 | 非対応 | 同一人物を最大5人まで維持 |
| 被写体の忠実度 | プロンプト依存 | 最大14個の要素を維持 |
| 動画からの生成 | 非対応 | 動画1本を渡してサムネイル等を生成可 |
いちばん実務への影響が大きいのは、呼び出し方式が変わった点だ。Imagen 4は画像生成専用のメソッドを持っていたが、Gemini 3.1 Flash Imageは対話用のメソッドに統合されている。モデル名を書き換えるだけでは動かない、非互換の移行である。API経由でImagen 4を使っていた開発者は、呼び出しコードとレスポンスの受け取り方を作り直す必要がある。
値段はどう変わったか
Imagen 4は解像度によらない一律料金だった。1枚あたりFastが0.02ドル、Standardが0.04ドル、Ultraが0.06ドル。これに対しGemini 3.1 Flash Imageは解像度ごとの従量制で、512ピクセルが0.045ドル、1K(1024×1024相当)が0.067ドル、2Kが0.101ドル、新設された4Kが0.15ドルとなっている(バッチ処理を使うと全解像度が半額)。
同じ1024ピクセル前後の画像で比べると、いちばん安いImagen 4 Fastの0.02ドルから、Gemini 3.1 Flash Imageの0.067ドルへ。約3.4倍の値上がりである。旧来の最高品質だったImagen 4 Ultraの0.06ドルと比べても、新モデルの1K価格はわずかに上回る水準だ。
単純な値上げではない、という見方もできる。旧モデルは画像を1枚生成して終わりの一方通行だったが、新モデルは会話の流れの中で「もう少し明るく」「この人物はそのままで背景だけ変えて」といった直しを重ねられる。値段が上がった分だけ、やれることも増えている。
同じ8月、OpenAIもDALL-Eの窓口を閉じる
画像生成AIの世代交代は、Google陣営だけで起きているわけではない。OpenAIは2026年7月31日、ChatGPT内にある「DALL-E」専用GPTを2026年8月30日に終了すると告知した。このGPTで作った画像を残したい人は、期限までに手元へ保存しておく必要がある。
ただし影響の範囲は限定的だ。終了するのは専用GPTという入り口であって、ChatGPTの画像生成機能そのものが止まるわけではない。すでにOpenAIは2025年11月から、新しい画像生成モデル「gpt-image-1」「gpt-image-1-mini」への移行を進めており、通常の「ChatGPT Images」機能や、画像生成を有効にしたカスタムGPTはこの終了の対象外となっている。
Fast・Standard・Ultraの3段階だったImagen 4を廃止し、解像度で価格が変わる単一モデルGemini 3.1 Flash Imageに一本化した。
DALL-Eという名前の専用GPTを畳み、ChatGPT Images(gpt-image-1系)という1つの入り口に画像生成を集約する。
両社とも、画像生成だけの独立した窓口をやめ、チャットの流れの中で画像を作り直せる形に寄せている。単発生成の時代が終わりつつある。
画像生成AIは、いま何を選ぶべきか
この夏の動きを踏まえて、用途別に整理しておきたい。
すでにGoogleのAPIやGeminiアプリで画像を作っている人。会話しながら同じ人物・同じ構図を保ったまま直しを重ねたい用途に向く。1枚あたりの単価は上がったので、大量生成する場合はコストを見積もり直したほうがよい。
ChatGPTの中で完結させたい人。DALL-E専用GPTを使っていたなら、8月30日までに画像を保存し、通常のChatGPT Images機能へ切り替えれば影響はない。
両社の対話型モデルに寄せる動きとは対照的に、Midjourneyは単体アプリとしての画質・芸術性を軸に、2026年7月24日公開のV8.2で個人の好み(パーソナライゼーション)の再現精度を高める方向へ進んでいる。写実的な広告素材や大量生成の効率を求めるならGoogleかOpenAI、作品としての完成度や独自の作風を求めるならMidjourney、という住み分けは、今回の一本化でむしろはっきりした。Midjourneyの始め方は別記事にまとめている。
編集部の見立て
今回いちばん興味深いのは、値上げそのものより「一律料金をやめた」という決め方だと考えています。これまでのImagen 4は、どんな解像度で出しても値段が変わらない一律制でした。Gemini 3.1 Flash Imageは解像度に応じて価格が変わる従量制に切り替わっています。大きな画像ほど高くなる設計は、クラウドの計算資源の使い方としては筋が通っていますが、利用者からすると「気づかないうちに高い解像度を指定して、想定より請求が膨らむ」事故が起きやすい形でもあります。
OpenAIの動きも合わせて見ると、両社とも画像生成を単体の道具から、会話の一部に組み込む方向へ寄せています。これは読者にとって、選ぶ基準がもう1つ増えたことを意味します。これまでは「どのAIの画質が好みか」で選べば足りました。これからは、その手前に「1回で仕上げたいか、会話しながら直しを重ねたいか」という作業スタイルの違いが入ります。前者ならMidjourneyのような単体特化型、後者ならGeminiやChatGPTのような対話統合型が向いています。
もう一点、Imagen 4の停止からGemini 3.1 Flash Imageへの移行は、単なるモデル名の差し替えでは済まない非互換の変更でした。値段や画質の比較記事は数多く出回りますが、実際にコードを書き換える手間まで含めて比較している情報は少ないと感じます。API連携をしている読者は、価格表の見た目だけで判断せず、移行作業そのものにかかる時間も含めて検討することをおすすめします。
まとめ
2026年8月17日、Googleの画像生成API「Imagen 4」(Fast・Standard・Ultraの3モデル)が提供終了となりました。後継はGemini 3.1 Flash Image(通称Nano Banana 2)に一本化され、最大解像度は2Kから4Kへ拡大した一方、1024ピクセル相当で比べた価格は最大約3.4倍に上がっています。
呼び出し方式も画像生成専用のメソッドから対話用メソッドへ変わったため、モデル名を書き換えるだけでは動きません。API連携している開発者は、コードの作り直しとコスト試算の両方が必要です。
同じ8月、OpenAIも2026年8月30日にChatGPT内の「DALL-E」専用GPTを終了させます。ただし通常のChatGPT Images機能(gpt-image-1系)は対象外で、影響を受けるのはDALL-E専用GPTの利用者に限られます。
Midjourneyは対話統合の流れとは別に、2026年7月24日公開のV8.2で単体アプリとしての作風の作り込みを続けています。
次にAPI料金表が動くとすれば、Gemini 3.1 Flash Imageの従量制がどこまで定着するかが焦点になります。8月30日のDALL-E専用GPT終了まで、手元の画像を保存できているか、いま一度確かめておく価値があります。