GitHub Copilotが2026年10月15日、3つのモデルを11月16日付で引退させると告知した。対象はClaude Opus 4.8、Claude Opus 5、GPT-5.6 Terra。チャット、インライン編集、askモード、エージェントモード、コード補完のすべてで使えなくなる。
GitHubが後継として案内したのは、Opus 4.8とOpus 5がClaude Opus 5.5、TerraがOpenAIのGPT-6.1 SolまたはGPT-6 Luna。TerraとOpus 5は7月に追加されたばかりで、4か月前後で入れ替わる。引退は9月1日の6モデル、10月2日の4モデル(Opus 4.7、Gemini 3.5 Flash・3.6 Flash、Kimi K2.7 Code)に続いて三度目になる。
Copilotのモデル引退とは──何が、いつ終わるのか
引退とは、Copilotのモデル選択画面からそのモデルが消え、どの機能からも呼べなくなることを指す。ここで言う「モデル」は、Copilotの裏側で動くAIの種類のことだ。同じCopilotでも、選ぶモデルによって賢さと料金が変わる。
| 引退するモデル | 引退日 | GitHubが案内する後継 | Copilotへの追加日 |
|---|---|---|---|
| Claude Opus 4.8 | 2026年11月16日 | Claude Opus 5.5 | ― |
| Claude Opus 5 | 2026年11月16日 | Claude Opus 5.5 | 2026年7月24日 |
| GPT-5.6 Terra | 2026年11月16日 | GPT-6.1 Sol または GPT-6 Luna | 2026年7月9日 |
例外が1つある。個人の年額プランの契約者は、Opus 4.8を引き続き使える。GitHubは、Opusの選択肢を残すためと説明している。Opus 5.5へ移っても、Opus 4.8を手元に残したい人は、この例外に当たるかを契約の種類で確かめることになる。
GPT-5.6 Sol・Terra・LunaがCopilotに追加 Terraはバランス型の既定モデルとして、月10ドルのProでも選べる形で加わった。
Claude Opus 5が追加 対象はPro+、Max、Business、Enterprise。
Claude Opus 5.5、GPT-6 Sol・Lunaが追加 同じ日にOpus 5.5の単価は旧モデルより2割下がった。
GPT-6.1 Solが追加 対象はPro+、Max、Business、Enterprise。
3モデルの引退を告知 引退までの猶予は32日。
Opus 4.8・Opus 5・Terraが全機能で終了 年額プランのOpus 4.8のみ残る。
後継モデルの料金──3本とも単価は下がる
CopilotはAIの利用量をトークン単位で計り、AIクレジットで精算する。1クレジットは0.01ドルだ。トークンとは、AIが文章を処理するときの単位で、日本語なら1文字が1〜2トークン前後にあたる。以下はGitHub Docsに載る、100万トークンあたりの単価である(入力27万2,000トークン以下の標準価格)。
| 100万トークンあたり | 入力 | キャッシュ読み込み | 出力 |
|---|---|---|---|
| Claude Opus 4.8 / Opus 5 | 5.00ドル | 0.50ドル | 25.00ドル |
| Claude Opus 5.5 | 4.00ドル | 0.20ドル | 20.00ドル |
| GPT-5.6 Terra | 2.00ドル | 0.20ドル | 12.00ドル |
| GPT-6.1 Sol | 2.00ドル | 0.10ドル | 10.00ドル |
| GPT-6 Luna | 0.10ドル | 0.01ドル | 0.50ドル |
Claude側は単純だ。Opus 4.8とOpus 5はどちらも入力5.00ドル・出力25.00ドルで、Opus 5.5は入力4.00ドル・出力20.00ドル。入力も出力も2割安い。キャッシュ読み込み(同じ文脈を繰り返し送るときの単価)は0.50ドルから0.20ドルへ、6割下がる。
OpenAI側は選び方で差が大きい。TerraからSolへ移ると、入力は2.00ドルのまま、出力が12.00ドルから10.00ドルへ下がる。約17%の値下がりだ。TerraからLunaなら、入力は20分の1、出力は24分の1になる。
Solには条件がある。入力が27万2,000トークンを超えると単価が上がり、入力4.00ドル・出力15.00ドルになる。長い入力を扱う使い方では、この段が請求に響く。仕組みはGPT-6.1 Solの発表時の記事で詳しく扱っている。
移れる先はプランで変わる
価格表だけを見ると、全員が安くなるように読める。だが各モデルの追加時の告知を並べると、選べるプランが分かれている。
Terraは7月の告知でProも対象だった。一方、後継のGPT-6.1 Solは9月29日の告知でPro+以上が対象で、Proは含まれていない。Opus 5.5も9月22日の告知ではPro+以上だ。案内された3つの後継のうち、告知の記載でProが選べるのはLunaだけになる。Proの月の枠は1,500クレジット(15ドル相当)である。
Opus 5.5、GPT-6.1 Sol、Lunaのすべてが告知上の対象に入る。Pro+の枠は7,000クレジット、Maxは月100ドルで20,000クレジット。TerraをSolに替えるだけなら、入力単価は変わらず、出力は下がる。
既定のモデル有効化がオンなら、後継は自動で有効になる。管理者が全体の既定をオフにしていたり、そのモデルを個別に無効にしていたりする場合は自動では入らず、モデルポリシーで有効にする必要がある。席の料金はBusinessが月19ドル、Enterpriseが月39ドル。
単価が下がっても、請求が下がるとは限らない
請求額は「単価 × 使ったトークン数」で決まる。単価が2割下がっても、同じ仕事に使うトークンが増えれば相殺される。Opus 5.5では、この点で見方が割れている。
GitHubは告知で、早期のテストではOpus 5.5がOpus 5と同程度にタスクを解きつつ、手数とトークンが大幅に少なかったと述べている。GitHub自身の評価であり、条件は公開されていない。
これに対し、Opus 5.5の発表時の記事で伝えたとおり、独立測定機関Artificial Analysisの測定として、最大努力度ではOpus 5.5がOpus 5より多くの出力トークンを使うと報じられている。単価の2割引きを打ち消す方向に働く話だ。GitHubの評価は日常の作業、独立測定は最大努力度という別の条件なので、どちらかが誤りとは言えない。
もう1点、GitHubはOpus 5.5がテキスト出力に電子透かしを入れると告知で明記している。意味・品質・読みやすさは変わらず、トークンも費用も増えないという説明だ。
11月16日までに確かめる4点
- モデルを固定している設定を洗い出す。Copilot CLIの設定、エージェントやチームで共有している指示ファイル、拡張機能や社内ツールの呼び出しで、Opus 4.8・Opus 5・Terraの名前を直接書いていないか検索する。引退後に固定指定がどう扱われるかは、告知に書かれていない。
- Business・Enterpriseの管理者は、モデルポリシーを開く。後継が自動で入るのは、全体の既定がオンで、そのモデルを個別に無効にしていない場合だけ。Opus 5.5とGPT-6.1 Solのポリシーが有効かを、利用者に周知する前に見る。
- Proで使っているなら、Lunaに移して足りるかを試す。TerraをLunaに替えると出力は24分の1の単価になるが、モデルの格は下がる。足りなければPro+(月39ドル)に上げてSolを選ぶ形になり、月額は29ドル増える。
- 年額プランの契約者は、Opus 4.8が残る条件を確かめる。残るのはOpus 4.8だけで、Opus 5とTerraは対象外と読める。
編集部の見立て
今回の告知で目を引くのは、引退までの速さと、後継が安くなっている点です。Opus 5は7月24日に加わって11月16日に退きます。モデルは追加された瞬間から、次の入れ替えを待つ立場にあるといえます。
値段が下がる入れ替えは、一見すると利用者に有利です。ただ、安い後継が選べるプランが上位に偏っていると、同じ値下げでも受け取れる人と受け取れない人が分かれます。Proの利用者にとっては、中位のTerraが消え、下位のLunaか、月額を29ドル上げるPro+かの二択に近づきます。この見立ては、Proで後継を選べる範囲が告知時点から変わっていないことを前提にしています。
もう1つ気になるのは、GitHubが「事前に自分の作業で試す」ための猶予を32日しか置いていない点です。単価が下がるのか、トークンが増えるのかは、使う人の作業内容でしか決まりません。告知には単価の表がありますが、請求を決めるもう一方の数字、つまり使ったトークン数は載っていません。
まとめ
GitHub Copilotは2026年10月15日、Claude Opus 4.8、Claude Opus 5、GPT-5.6 Terraを11月16日に引退させると告知しました。後継として案内されたのは、Opusの2本がClaude Opus 5.5、TerraがGPT-6.1 SolまたはGPT-6 Lunaです。個人の年額プランの契約者はOpus 4.8を引き続き使えます。
後継の単価は、いずれも引退するモデルより下がります。Opus 5.5は入力4.00ドル・出力20.00ドルで2割安く、Solは出力が10.00ドルでTerraの12.00ドルより約17%安く、Lunaは入力0.10ドル・出力0.50ドルです。
ただし、追加時の告知ではOpus 5.5とGPT-6.1 SolはPro+以上が対象で、月10ドルのProが選べる後継はLunaになります。単価が下がってもトークン数が増えれば請求は下がらないため、引退前の今なら、自分の作業で旧モデルと並べて確かめられます。
11月16日までに確認しておきたい未決の点は、旧モデル名を設定に書いたままのツールが、引退後に何を呼ぶのかだ。告知はその扱いを説明していない。